「空売り」とは?

投資

「空売り」について、少し整理して書いておきます。

「空売り」とは?

信用取引ができる状況では、自分が持っていない株、例えば証券会社が保有している株を売ることから取引を始めることができます。これを「空売り」といいます。

自分が持っていなかった株を売ってしまうわけですから、10株空売りすれば、自分の保有数は -10 株になります。

マイナスになった株数は、新たに株を買うことで、元の株数に戻す必要があります。例えば -10 株空売りしていれば、10株買って、±0 の株数になります。

クレジットカードでのお金のやり取りでいえば、まずクレジットカードの口座のお金を使ってから、都合の良いときに口座に返すして元に戻すのと一緒です。

株の空売りの場合は、何が良いかというと、売るタイミングで 1株 $10 で売れたとします。これで $10 の収入になります。

その後、その株価が下がり、買い戻すときに $8 で買い戻せたとします。すると、

(株を売って得た利益) – (株を買うために使う費用) = $10 – $8 = $2

ということで、$2 の儲けが発生します。

実際には、証券会社の手数料などの差し引きがあって、ぴったり $2 の利益というわけではないでしょうが、大まかな考え方はこのようになります。

ショートとロング

空売りはショート・セリング (Short Selling) もしくは単にショートといいます。

英語で Short は、「短い」という意味の他、「不足」という意味もあって、空売りではマイナスの株数になるのでショートということになります。

ちなみに一方、普通に、買いで取引を始める場合のことを、ショートに対してロング (Long) ともいいます。こちらは、よくわかりませんが、ショートに対するロング、ということで理解して良さそうです。

ショートカバー

上で説明した通り「空売り」、つまりショートで入った取引では、あとで買い戻して株数を元に戻さないといけません。

空売りした株の買い戻しのことを、ショートカバーといいます。

空売りで利益を得るためには、売った時点よりも株価が下がったタイミングで、株を買い戻す必要があります。つまり、空売りしていた人は、株価が下がったところで利確をするために株を買うわけですから、ショートカバーは株価を押し上げる力になります。

このため、ショートカバーは株価の反発を発生させる場合があります。

ショートスクィーズ

空売りする人は、株価が下がると思って売るわけですが、時には、その読みがハズれて、株価が下がらず株価が上がってしまうことも起こります。

こうなると、例えば株を $10 で売ったとしても $12 とか、売った価格よりも高値で買い戻すことになりますから、利益を得るどころか損になります。そこで、株価がどんどん上がる前に、損切のため株を買い戻すことになります。

こうした買戻しによって、さらに株価を押し上げ、どんどん買戻しを引き込み、株価が高騰してしまう現象があります。こうした現象を「ショートスクイーズ」と呼びます。

単なる株価の高騰か、その高騰の原因がショートスクイーズによるものかは、ひと目見てわからないのが普通です。

Short Interest と Days To Cover

株価が高騰したときに、企業の業績の見通しが明るいことによる自然な買い圧力による高騰か、あるいは、前述のショートスクイーズによる株価の高騰であるか、リアルタイムに知る方法はないようですが、目安になる数字はあります。

空売りされて、買い戻されていない株数を Short Interest といいます。Short Interest は通常、月に2回集計されて公表されるので、現時点での空売り量をリアルタイムに示す値ではない点に注意が必要です。

私の場合は Schwab を利用しているので、schwab.com ウェブサイト内の Research から調べることができます。例えば IREN の値は次のようになります。

さて、Short Interest 値が健全なものかどうか判断するには通常、Short Interest を Float で割った Short Float % を利用します。

具体的に計算してみると、IREN は Float が 346M 程度ですから、次式のようにおよそ 24% になります。

\begin{aligned}
\frac{81.65M}{346.2M} = 24\% 
\end{aligned}

目安としては次のような値が使えるといわれています。

  • 0 ~ 5% ← 低い。空売りは少ない
  • 5 ~ 10% ← やや多い
  • 10 ~ 20% ← 多い。弱気の投資家が多い
  • 20 ~ 30% ← 非常に高い。
    *下落トレンド:反転時のスクイーズを警戒
    *上昇トレンド:急騰後に失速しやすい
  • 30% 以上 ← 極めて高い。需給が不安定になりやすい。

こうした値動きをする傾向があることを踏まえて、リスク管理をする必要があります。

その他、Days To Cover 等の数字もあって、こちらは Short Interest を平均日時出来高で割った数値になります。こちらも、数字が高いほうが空売りの買戻しが多いことがわかります。

空売り数が多いことは、将来必ず買い戻す株数がたくさんいることを示しているので、悪いことばかりではありません。急騰も、うまく味方につけたいものです。

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