先日からハイテク株の下落が続いています。
主なものとして、デル (DELL) や HP (HPE) のアナリストの格下げによる下降トレンド、および、いわゆる「コアウィーブ・ショック」に端を発したネオクラウド株の総崩れが起きています。
そもそも AI 産業の関連銘柄はどう動くと考えるのが妥当かを考えるために、ひとくちに、AI 産業と言っても、「AI 産業とは具体的にいったい何を指しているのか」、「AI 関連にはどんな細分化されたセクターがあるのか」、「具体的にどの銘柄を指しているのか」といった、投資をする者として気になる点を、今後のためにまとめておきたいと思います。
AI 産業の構造と関連セクター
フロンティア AI 企業
まずはソフトウェアとしての生成 AI を研究開発する会社があります。
生成 AI を実現する、大規模言語モデル (LLM) を研究開発しているの先端企業として、OpenAI (GPT)、Anthoropic (Claude)、Google (Gemini)、Microsoft (MAI) があります。
これらの会社群を「フロンティア AI 企業」といいます。
- GOOGL/GOOG – Google
- MSFT – Microsoft
- OpenAI (非上場 – 2027年に上場が予想されている)
- Anthropic (非上場 – IPO 準備中)
ハイパースケーラー
AI を世界中の人が使える形に整備し、需要に応じた計算能力やストレージなど、AI サービスを含む汎用クラウド基盤を提供する会社群を「ハイパースケーラー」といいます。
主なハイパースケーラーとしては、Amazon (AWS)、Microsoft (Azure)、Alphabet (Google Clound) 、Meta (Meta Platforms)、Oracle (OCI, Oracle Cloud Infrastructure) が挙げられます。
OpenAI も Stargate 計画として、巨大インフラを整備しています。SoftBank や Oracle などと協力したインフラ構築計画です。しかし、基本的に計算資源を確保するために、ハイパースケーラーのクラウド基盤を利用している点で、OpenAI や Anthropic はハイパースケーラーに分類されません。
- AMZ – Amazon
- MSFT – Microsoft
- GOOGL/GOOG – Google
- META – Meta
- ORCL – Oracle Corporation
ネオクラウド
AI に特に必要とされる演算資源、つまり、AI GPU を利用する環境を提供しているグループは「ネオクラウド」と呼ばれています。ハイパースケーラーやフロンティア AI 企業が顧客となり、計算能力を供給する立ち位置です。
ネオクラウドを代表するのは、CoreWeave、IREN Ltd (オーストラリア)、Nebius Group (オランダ) など。
同じ AI インフラを提供するといっても、汎用のクラウド基盤を併せてもつハイパースケーラーと違い、事業モデル自体が AI に特化しています。
- CRWV – CoreWeave
- IREN – IREN Ltd
- NBIS – Nebius Group
AI 半導体 – GPU / AI ASIC / AI 関連 IP
AI モデルの学習や推論では、大量の行列演算の並列処理が必要となるため、GPU が重要になります。
GPU は NVIDIA が圧倒的に首位。NVIDIA は GPU 単体の性能以上に、GPU 間の高速接続、ネットワーク、ソフトウェア開発環境といった、総括的なエコシステムに強みがあります。
現状は AMD が、AI 向けに周辺の環境も揃えてきており、NVIDIA の競合相手になってきています。
GPU の他、特定の決まった計算処理をする場合には AI 用途に特化したカスタムチップ (AI ASIC) を用いることで、計算コストと処理電力を抑えることもできます。
AI ASIC としては、Google TPU、Amazon Trainium、Microsoft Maia などの技術が発展してきています。設計開発には、ハイパースケーラーのみならず、Broadcom、Marvell Technology 等が設計開発に強みがあります。
- NVDA – NVIDIA
- AMD – Advanced Micro Devices
- AVGO – Broadcom
- MRVL – Marvell Technology
- INTC – Intel
AI ASIC の設計・開発を支える半導体 IP に強みを持つ企業としては、下記が挙げられます。「半導体IP」というのは、半導体チップの設計に再利用できる回路設計・技術のことで、ソフトウェアの開発でいえばライブラリのようなものと言えます。
- Micron Technology – HBM、DRAM データセンター SSD
- Synopsys – HBM、PCIe, UCIe など各種 IP
- Cadence Design Systems – HBM、高速通信など
- Rambus – HBM メモリコントローラー IP
- Arm Holdings – CPU コア IP
- Qualcomm – 高速接続 IP
各社のシンボルは次の通り。
- SNPS – Synopsys
- CDNS – Cadence Design Systems
- RMBS – Rambus
- ARM – Arm Holdings
- QCOM – Qualcomm
AI 半導体製造・先端パッケージング
AI向け半導体の製造では、例えば CoWoS (Chip-on-Wafer-on-Substrate = 高性能 GPU と HBM をひとつのパッケージに統合する技術) のような AI 特有の半導体製造技術があります。この点で TSMC が優位にあります。
- TSMC – AI GPU や ASIC の受託製造、先端パッケージング技術
- ASML – 最先端半導体製造に必要な EUV 露光装置
- Applied Materials – 半導体成膜・加工・製造装置
- Lam Research – エッチング、成膜
- KLA – 製造工程の検査・計測
各社のシンボルは次の通り。
- TSM – TSMC
- ASML – ASML
- AMAT – Applied Materials
- LRCX – Lam Research
- KLAC – KLA
AI サーバー・ラック
コンピュータを構成するコンポーネントを、サーバー・ラックとして製品として組み上げ販売する点に強みのある企業は次の通り。
- Dell Technologies- 大企業向け AI サーバー、ストレージ、運用支援
- Hewlett Packard Enterprise – AI サーバー、スーパーコンピュータ、企業向け AI 基盤
- Super Micro Computer – AI 専用サーバー、高密度ラック
高速ネットワーク・光通信
数千~数万個の GPU を同時に扱う AI 学習では、GPU 同士の通信速度が重要になります。
- Arista Networks – AI データセンター向けの高速 Ethernet スイッチ
- Coherent – 光トランシーバー、レーザー、光通信部品
- Lumentum – 光通信向けレーザー・光学部品
- Amphenol – 高速コネクター、銅ケーブルなど
- Corning – 光ファイバー、光接続技術


